「三匹の子ブタ」「三銃士」などタイトルに「3」がつく有名な物語がたくさんあります。
また、人々によく知られる名言は3語で構成されているものが数多くあります。
「来た、見た、勝った」(ジュリアス・シーザー)
「人民のための、人民による、人民の政治」(リンカーン)
これは、有名な物語や名言に偶然「3」が関係していたということでしょうか?
それとも「3」という要素が、物語や名言を有名にする(心に留めさせる)のにあずかって力があったのでしょうか?
答えは「けっして偶然ではない」です。
この記事では、なぜ「3」にそのような力があるのか、「3」を使うことでなぜコンテンツが魅力的になるのかについてお話します。
脳のパターン認識にとって相性が良いのが「3」
パターン認識とは、雑多な情報を含むデータの中から、一定の規則や意味を持つ対象を選別して取り出す、脳の処理です。
パターン認識をする際に、もっとも脳が処理しやすく、記憶に残りやすいパターン数が3です。
「男と女」「光と影」などの2は、対立・相反や補完関係を表しますが、パターンを構成しません。4以上は強い印象を与えるには少し多すぎるのです。
「司法・立法・行政」―政府の仕事はこの3パターンに分類されます。
「父と子と聖霊」―キリスト教は神の御業をこの3つのパターンで把握します。
この他に、パワフルで一度聴いたら忘れられない「3」には、次のようなものがあります。
「天・地・人」
「真・善・美」
「心・技・体」
「正・反・合」
「陸・海・空」
「自由・生命・財産」
コンテンツを書くときに、印象深いトピックスにしようと思うならこの「3の法則」を使うべきです。
箇条書きなら3箇条がベスト
「三匹の子ブタ」が作る家は
- わらの家
- 木の家
- レンガの家
で必要十分です。それ以上は「物語の力」を弱めることにしか役立ちません。
箇条書きは要素を3に絞ることで、コンテンツの読者の印象に強く残ります。誰かの頭の中に何かを閉じ込めておきたいなら「3の法則」を活用しましょう。
ハリウッド映画の脚本は三幕構成で書かれている
映画の脚本の多くは、
- 設定(Set-up)
- 対立 (Confrontation)
- 解決 (Resolution)
の三幕構成で書かれてます。映画作者たちは、この構成がもっともドラマチックで、観客を感動させることを知っているからです。
ジョークも「3の法則」でできている
「3の法則」の力をよく表している例は、ジョークの世界にもあります。
有名な「沈没船のジョーク」は、次のような3ステップの構造になっています
- 世界各国の人を乗せたクルーズ船が沈没しかけているので、早く乗客を船から脱出させなければいけない。それぞれの国の人に何と言えば海に飛び込んでくれるでしょうか?
- アメリカ人には「飛び込めばあなたは英雄です」と言い英国人には「飛び込めばあなたは紳士です」と言い、フランス人には「飛び込むな」と言います。
- さて日本人には何と言ったらよいでしょうか?日本人には「もう皆さん飛び込んでいますよ」と言います(笑い)
この3つの間に余計なものを差し挟むと、笑いが薄まるか、下手をすると不発に終わります。
コメディアンは、
- 段取り
- パターン認識を利用して聴き手に話しの先を予想させる
- 予想外のオチで聴き手を軌道から外して(笑わせて)しまう
という3ステップの型を使います。
例えば、オチにそれまでのパターン認識を狂わすようなショッキングな要素を使うジョークにこんなものがあります。
「何が最悪だと言って、あれ以上のものはなかった。なにしろ一晩飲んだ後に誰かの隣で目が覚めて
- その人も名前も知らない
- どうやって出会ったのかも覚えていない
- なぜ彼が死んでいるのかも分らないのだから」
こんなジョークもあります。
「私は昔ながらの方法で感謝祭を祝いました。
- 私は近所のみんなを私の家に招待して、
- 盛大なごちそうを食べて、
- それから彼らを殺して、彼らの土地を取った」
ちょっとオチがブラック過ぎますが、脳に焼き付けられる「3の法則」の使い方です。。
まとめ
4つでも5つでもなく、3つの項目をリストアップした記事は、物事を本質的なところまで煮詰めているので、人々をより引きつけることができます。
そして、人は2つあるい5つの選択肢よりも、3つの選択肢を提示されるのが好きです。
人間の脳を喜ばせることに関して「3」は魔法の数字なのです。
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