ワンピースがクソみたいに面白くなくなった3つの理由


ワンピースって読んだことありますか?
あれだけ流行ってるから、
少しは読んだことあると思います。
というか、読んだことがないと、
ビジネスマンとしてよろしくないと思います。
「なんで、これが、こんな流行ってるのかな?」
って考えるのは、とっても大事な思考のトレーニングですからね。
たとえ、自分が面白いと思わなくとも。
さて、本題ですが、今回の内容は
ワンピースをある程度読んだことがある人向けのものです。
とは言え、仮にあなたが読んだことがなかったとしても、
コンテンツマーケティングにおいて
意味のある内容ですので、ご安心ください。

ワンピースは、とある段階から、
本当にクソみたいに面白くなくなりました。
私もコミックスを買っていますが、
もはや惰性で買い続けているだけで
「次はいつ出るんだろうか!」というワクワク感は
とうの昔に消えてしまいました。
「なぜそうなってしまったのか?」ということを通じて、
人を引き込むストーリーの作り方を考えていきましょう。

つまらなくなった3つの理由

理由その1:展開が全く練られていない

最近のワンピースの展開は、単純に
「倒すべき敵が現れる→倒す」
というような、ものすごく一本調子になっています。
そこに大した山も谷もありません。
次はどうなるんだろうか…というようなドキドキ感もありません。
確かに物語を極端にシンプルにすると、
スター・ウォーズは、ルークが皇帝を倒す話、
タイタニックは、ジャックがローズと恋に落ちて死ぬ話、
ターミネーターは、ターミネーターを倒す話、、、
といったように表すこともできますが、
その途中に山あり谷ありだから、
観客は2時間も3時間もスクリーンに釘付けになるのです。

展開があるから、ついつい見続けてしまう

展開があるから、ついつい見続けてしまう


今のワンピースは、
ものすごく単調なストーリーを見せられているから、
読み手が飽きているのです。

解決策:三幕構成にする

人を引きつけるストーリーというのは、
神話の時代から変わらず、
「三幕構成」というものになっています。

面白い物語は、N字展開です。

面白い物語は、N字展開です。


三幕構成というのは、形で言うと、
アルファベットのNの形になっていて、
物語の脚本の鉄板ストーリーです。
第一幕:物語の設定

  • あるところに、全く平凡な主人公がいる(物語の始まり:Nの左側の一番下)
  • 平凡な主人公が何かのきっかけで新しい力を手に入れる(冒険への誘い)
  • その力を使って、問題を解決し、物語のゴールが定まる(目標の設定)

第二幕:対立、衝突

  • 目標に向かって困難を乗り越えていく
  • 場合によっては「見せかけの勝利」を手に入れる(Nの左側の頂点)
  • 大きな困難が目の前に立ちはだかる
  • 絶対的なピンチ(「死」であることが多い)に陥る(Nの右側の一番下)

第三幕:解決

  • ピンチを乗り越えるために主人公が進化する
  • 進化した結果、眼前のピンチに打ち克つ

人を感動させたり、引き込むストーリーというのは、
このフレームワークに従えば、問題なく作れるというものです。

フレームワークを使うことに対する反論への反論

こういうことを言うと、
「クリエイティブじゃない!」
「オリジナル性が大事だ!」
とのたまう人たちがいますが、
「基礎もやってないのに、
いきなり応用もできるか?」
と逆に聞いてみたいです。
プロ野球選手が投げ込みやスイングチェックをせずに
いきなり剛速球を投げたり、ホームランを打てるでしょうか?
という話です。
オリジナルやクリエイティブで言うと、
キュビスムを開発したピカソは、
若い時にほとんど写真かと言えるくらい、
模写をしています。

ピカソ15歳の時の絵

ピカソ15歳の時の絵


まぁ当たり前ですが、
基本ができてないのに、
いきなり応用をやりたがる人は、
ただのめんどくさがりです。
努力できない人間です。
実際、ディズニーの映画のほとんどは、
このフレームワークに従っています。
私はこのフレームワークを知っているので、
次の展開も読めてしまうのですが(笑)、
それでも感動します。
トリッキーなことをしたいのであれば、
まずはみっちり基礎固めが必要です。
余談ですが、ディズニーがスターウォーズを買収したと聞いた時、
この三幕構成の話を知らなかった私は、
「物語が改悪」されるのではないかと心配していましたが、
それは杞憂に終わりました。
それもそのはず、両方とも、
この三幕構成を元にストーリーを作成しているのだから、
ブレるはずがなかったんですね。

理由その2:必要な役割が存在しない

私がスターウォーズが好きなので、
スターウォーズで説明します。
スターウォーズには
様々な役割を担うキャラクターが出てきます。
正義の味方(ライトサイド:反乱軍)と、
悪の勢力(ダークサイド:帝国軍)と、
それぞれに魅力的なキャラクターがいます。
一番有名なのは、
ルーク・スカイウォーカーと
ダースベイダーですね。
ルークは、最初は田舎の惑星に暮らしている平凡な人間でしたが、
ひょんなことから惑星間戦争に巻き込まれます。
全く今まで武器も使ったことなかったのに、
強大な帝国軍と戦わないといけなくなったのです。
そして、最終的には、ルークが銀河に平和をもたらすわけですが、
その中で重要な役割を担ったのが、
オビワン・ケノービとマスター・ヨーダという2人の師(メンター)です。

救いの手

メンターとして導く


ヨーダは有名だから、
スターウォーズに詳しくない人も
見たことはあるんじゃないですかね?
最初はロボットだったから全然動かなかったのに、
CGになると、ものすごく俊敏になったおじいちゃんです。
その2人のメンターがルークを導いていくわけです。
また、敵のダークサイドにも
魅力的なキャラクターが何人もいます。
ネタバレになるので…と言いつつ、
これまでの人生でスターウォーズを見たことない人は、
きっとこれからの人生でも見ることはないでしょうから(笑)、
思いっきりネタバレしてしまうと、
ダークサイドの象徴的なキャラ、ダースベイダーは、
元々ライトサイドの人間で、かつ、ルークの父親です。
知ってました?
知ってますよね?笑
そして、何がこのダースベイダーを
魅力的なキャラクターたらしめているかと言うと、
その背景です。
元々、ライトサイドで悪を倒す人間だったはずの
ダースベイダー(アナキン・スカイウォーカー)も、
ダークサイドには落ちたものの、その中には葛藤があります。
自分の息子を本気に殺しにかかることはできず、
ルークからの「あなたは本当は正義の人間のはずだ」という言葉に
ものすごく揺さぶられ、最後には悪に打ち克ちます。
また、この親子の邂逅は、
ルークにも大きな影響を与えます。
これもネタバレしてしまうと、
ルークもダークサイドに取り込まれそうになります。
実際、そのような描写は直接的にはないのですが、
夢の中で、ダースベイダーに自分自身を重ねるシーンがあります。
そのように、敵側にも主人公にも同じように、
互いに自分を重ねる部分があるため、
キャラクターに深みが与えられます。
って、まぁ普通の人間だったら
聖人君子なんてあり得ないじゃないですか。
だから、このように欠点を作ることで、
観客にとって親近感を抱けるキャラになるんですね。

解決策:改めて誰が何の役割なのか決める

で本題の、ワンピースが面白くなくなったのが、
こういう主人公を導く立場や、魅力的な敵キャラがいないからだと思います。
「いや、目標にする海賊はいるやん!」
と思うかもしれませんが、
話ごとにメンターがいないので、
読者としてもイマイチ
何をしたいのかよく分からなくて、
ただ単純に「敵を倒す」だけに
終始している印象を受けるのだと思います。
その敵もただ「強いだけ」の薄っぺらいキャラ…
昔は「カッコイイなぁ…」と思うキャラが
いっぱいいたのにね、ってね。

理由その3:共感できない

理由その2とも関連しますが、
以前のワンピースであれば、
困っている人がいて、
それを主人公の海賊団が助ける
という、まぁドラクエなどのRPGなどでも王道の話でしたが、
その時に、読者が共感するのは、その「困っている人」でした。
確かに物語の主人公は海賊団なんですが、
それでも読み手が共感するのは、
困っている人たちでした。

悩んでます

困ってます


その困っている人たちに対するメンターとして、
主人公海賊団がいて、強大な敵を打ち破ってくれるから
「面白い!」となっていたんだと思います。
で、今はそれがないから、
「面白い!」ってならないんすね。

解決策:共感できるキャラクターを作る

ワンピースには、典型的な物語展開がありました。
新しい島に到着

その島で困っている人がいる

困っている理由の昔話

その理由を解決する
という王道ストーリーがあり、
その昔話に共感できたから、
感動するわけです。
でも、今はその昔話がないこともあるし、
あったとしても共感できないものであるため、
物語に引き込まれないんですよね。
そこに関しては、もっと物語を練りこむしかないと思います。
その点ドラゴンボールがうまいなと思うのは、
ピッコロやベジータが、もともと敵だったのに、
いつの間にか仲間になっていて、
憎めない奴になっているところです。

最後に:誰のせいか?

犯人探しをするわけではないですが、
これだけ面白くなくなっているのは、
たぶん編集のせいです。
編集の方が勉強不足なのか経験不足なのか、
それはわかりませんが、作品は漫画家一人で作るものではないですし、
うまく手綱を握るのが編集の仕事のはずです。
追記(2017年5月18日):
通りすがりの方からコメント頂いたのですが、
「尾田先生は編集に口出しをさせない」そうです。
となると、尾田先生のせいなのか…
歌手が歳を重ねるごとに、
歌うテーマが変わってくるように、
漫画家も同じなのかな…
(追記ココマデ)
この記事が「一過性のもの」を対象にした記事になることを、
一人のワンピースファンとして心より祈っています。
追伸:
こういう物語の脚本、ストーリーテリングについては、
以下のような本を参考にしてみてください。
全く読んだことなければ目から鱗が落ちますよ。


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 この記事へのコメント

  1. とおりすがり より:

    ワンピースの作者は編集者にストーリーやキャラクターへ絶対口出しさせないようですよ。

  2. 通りすがり2 より:

    立ち読みした20周年記念の質問コーナー(担当経験者が該当)によると話の構成で揉めたことは一度もないそうです。
    4人の担当経験者がただの1人も。
    中にはネームを修正するように指示したことはあるって言い出す始末
    それ、当たり前の仕事ですから!
    以前、何かのインタビューで担当者が変わったらまず一番に「全部自分で考えたいからアイデアを出すな」と言うそうです。
    考えるも何もデザインにしろ技にしろパクりばかりなですけどね。
    後、担当に敬語を使われるのが嫌だからタメ口をきけと。
    命令しないと担当が敬語を使うような関係の時点で担当が口出し出来ないような力関係なのは明白ですね。
    この作者は構成力が乏しいので各編の話の中盤から終盤がいつもぐたぐだになり広げた風呂敷を畳む為に無理矢理なご都合主義で強制的に終息させるためしりすぼみになります。二流三流の漫画家ですが、本人曰く、ヒット作家がやってきたやることはやり尽くしたので目標になる漫画家がいなくて困ってるそうですよ
    先人の後追いしか出来ない宣言とは情けないこの人クリエイターに向いて無いんじゃないですかね

    • mukainaoki より:

      >ヒット作家がやってきたやることはやり尽くしたので目標になる漫画家がいなくて困ってる
      これはなかなかスゴイ発言ですね…笑
      誰かが言ってましたが「ギアセカンドも界王拳のパクリ」とか、
      言われてみれば確かにそうだなぁと思いますよね。。。
      ただ、昔の面白かったのを知ってるので、
      またあの頃のようにワクワクしたいなと思います。

  3. 通りすがり3 より:

    昔のルフィは結構頭が良かったと思います
    それは尾田先生が自分をルフィにかぶせていたからだそうです
    尾田先生曰く、そのころはルフィのキャラを決めかねていたらしいです
    逆に最近のルフィがかなり頭の悪い子供、駄々っ子のようなのは尾田先生がルフィのキャラをハッキリ決めたからだそうです
    少年漫画だから子供らしく描くことにしたと尾田先生が以前話していました

    • mukainaoki より:

      なるほど、そういうことなんですね。。
      個人的には、ドラゴンボールでも悟空が成長したように、
      ルフィも成長してもらいたいですけどね。
      でも、話の種類?的に、悟空にとっての悟飯のような、2世代目を出すのは難しいですよね…(^_^;)

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